道端の碑に注目してみましょう

2018

08.04

普段、わたしたちが何気なく歩いている道のそこかしこに、碑が建っていることが多々あります。わたしたちは、碑があることは知っていますが、じっくりとなにが書いてあるか読むことはあまりありません。

でも、そこには先人の知恵や地域の歴史が刻み込まれています。碑を残すということは、後世の人たちになにかを伝えたいと思った先人の想いが込められています。その想いを受け止めてみませんか?ポスティング中でも十分できると思います。

①笛吹童子の碑

山梨県には笛吹市という市があり、笛吹川という川が流れています。笛吹市の第二平等川(昔は笛吹川だった)にかかる橋の欄干には、笛吹童子の碑があります。

  

笛吹川の笛吹童子のものがたりは、隣の碑文を読んでみるといいでしょう。

「笛吹権三郎の伝説 およそ600年ほどむかし、上釜口の芹沢に母親と二人暮らしの権三郎という孝行息子がいました。笛がたいそう好きで、また上手でした。ある晩、豪雨のため氾濫した子西川の濁流に母子はのみ込まれてしまいました。けれども若い権三郎は流木につかまって九死に一生を得たのです。助かった権三郎は、権三郎の名を呼びながら流されていった母親のことが片時も忘れられず毎日毎晩母親を探しました。母親の好きだった曲を吹きながら、ずっと川下の方まで河辺を探しまわったのです。

疲れ切った権三郎は、ある日川の深みで足をすべらすとそのまま帰らぬ身となったのです。夜になると川の流れの中から美しい笛の音が聞こえてくるようになったのは、権三郎が死んでからのことでした。村人たちは、いつかこの流れを笛吹川と呼ぶようになりました。」

②出砂原の六地蔵さんの碑

長野県下伊那郡高森町には、出砂原とかいて、「ださら」と読む地名があります。ちょっと島国的ではなく、大陸的な異国情緒あふれる語感ですね。国道153号線出砂原の交差点の近くに、出砂原の地蔵菩薩の石像があります。なにか現代的でちょっと愛嬌のあるお地蔵さんです。隣には、町内4ケ所に六地蔵があるという説明書きがあります。子供のころ、笠地蔵という童話を聞かされましたが、そのイメージにぴったりの六地蔵が、ここかしこにあるそうです。一度、すべて歩いて訪れてみたいなと思いました。江戸時代、このあたりは地蔵菩薩信仰がさかんな土地柄だったそうです。

③ロケット型の謎の碑(千曲川沿い)

長野県上田市を流れる千曲川のほとりに、ひっそりとロケット型の碑がたっています。いつも車で通るときにはなんだろう?と思っていましたが、ついに歩いてゆっくりと碑を観ることができました。そこには、悲しい出来事がつづられていました。

  

「小菅訓導殉職記念碑 この殉職記念碑は、おぼれる子どもを救おうとして、千曲川で殉職された小菅武夫先生の崇高な行為をたたえ、その遺徳を永久に記念するために、県内外の有志の方々からの募金によって建立されたものであります。

昭和4年4月24日、当時の上田尋常高等小学校本校部の春の遠足で、250名が須川・鴻の巣方面に出かけた帰り、ひとりの子どもが千曲川の仮設橋を渡ろうとして足を踏みはずし、川に転落しました。

それを見た小菅先生は、服も脱がず、直ちに渦まく川に飛び込んでその子どもを助け、一緒にいた先生に手渡しました。しかし、小菅先生は疲れと4月初めの雪解け水の冷たさのために体の自由を失い、ついに殉職されたのであります。

ときに先生は23歳、教職に就いてわずか25日目のことでありました。」

 

先人の想いが、こうやって平成の末を生きる私たちに届いています。せめて、碑に気づいたら、きっちりと先人の想いを受け止めてあげましょう。道端の碑ってすごいと思いませんか?

 

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