東北への旅~ひと夏の冒険ー1(2・26事件)

2024

09.07

今年の夏は、3年ぶりの行動制限のない夏となりました。だんだんと手探りで経済を回していこうという気運が高まってきました。コロナ感染者へのひどい誹謗・中傷もなくなり、ふつうのインフルエンザなみの感染症だという認識が広がってきました。いいことです。

私にとってもポスティング業界の歴史においても、さまざまな出来事に翻弄された記憶に残る夏となりました。世間を賑わしたニュースとしては、参議院選のさなかに安倍晋三元首相が銃撃されて亡くなるという事件でした。この日本でこんなことが起きるのか?とほとんどの人はびっくりしたと思います。

一国の首相経験者が、公衆の面前で殺される!

本当にショッキングな出来事でした。

さて、そのころから私の中にふつふつと湧き出る決意が固まりつつありました。以前からぜひ行きたいと思っていたところへ行ってみよう。

 

よし、東北へ行こう!

 

8月のある日曜日、猛暑の中、私は一人で東北新幹線に乗り込みました。

もちろん初めていく場所でした。目的の駅につくと、大瀧詠一の「君は天然色」メロディーが駅の構内で鳴り響いていました。若いころに大ヒットした懐かしいメロディーでした。

駅前のタクシー乗り場に行きましたが、1台も停まっていません。それどころか暑い日だったこともありますが、誰一人として歩いていません。駅前によくあるようなビルや飲食店や土産物屋さんもありません。閑散とした地方の駅でした。本当に新幹線の駅なの?という感じでした。

 

しばらく立っていましたが、タクシーがくる気配が一切ありません。そこで、タクシー乗り場の張り紙をみて、タクシー会社へ電話をしました。「駅前にいるんですけど、1台お願いします。」「はい、わかりました。10分くらいで行かせますので、乗り場のところでお待ちください。」

タクシー乗り場でも、私ひとりだけでぽつんと待っていました。話しかける人もいません。(キツネにつまされた気分というのは、こんな感じかも知れません)

約束通り10分ほどして、古いクラウンのタクシーがやってきました。私はタクシーに乗り込んで、行き先を告げました。

「(第30代内閣総理大臣の) 斎藤實(さいとうまこと)記念館へお願いします」

(つづく)

 

 

 

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